「コロナうつ」にならないために

2020年に始まった新型コロナウィルス感染は、1年半以上経過した現在でも感染拡大が止まらない状況が続いています。緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置に指定される地域は後を絶たず、まさに、未曽有の災禍となっています。昨年は「コロナうつ」という言葉が生まれるなど、新型コロナウィルスは人の心にも悪影響を及ぼしております。

私は、毎日、四国、九州、東海及び大都市圏の企業で、多く方々と対面あるいはオンラインでのカウンセリングを実施していますが、新型コロナに関連すると思われる訴えも増加しています。

コロナに起因する”うつ症状”

「コロナうつ」とは正式な病名ではありません。
ストレス反応としては、「眠れない」「不安感がある」「食べられない」「アルコール量が増えてきた」「イライラする」など、軽うつのような状態です。コロナ禍で生活様式の急激な変容に対しうまく適応できない一種の「適応障害」のようなものだと認識しています。人により、暴力や暴言などの行動に表出されている場合もあります。

原因と考えられるものは大きく3種類に分けられます。

1つ目は、自分や家族が感染してしまうのではないかという感染への直接の不安です。
2つ目は、新型コロナの影響で収入が減ったことや、これがいつまで続くのかという出口の見えない経済的不安です。
3つ目は、自粛やテレワークに関する不安です。

例えば、従来はジムやスポーツ、友達との飲食、映画、ライブ、旅行などで適宜ストレスを解消できていましたが、コロナ禍では自粛によりそのような活動に制限がかかっているためです。

テレワークで出来ること

テレワークにおいては、設備投資への難しさ、孤独感、仕事と生活のバランスの取りにくさ、分からないことをすぐ聞けない不安や怖れ、住宅事情、家族メンバーとの心理的な関係などが挙げられます。
これらが原因で家族内での不協和音が生じているケースもあります。
このようなことが、地方でなかなかテレワークが広がらない原因の1つかとも考えられます。

昨今では事務系に留まらず、営業の世界でもテレワーク化が進んでいます。
自宅から直行直帰で営業活動をし、事務作業は在宅でこなすというスタイルです。経験値の少ない若手営業社員の不安は相当なものです。
また、管理者もテレワーク下での管理体制の在り方、部下との対話不足、評価の仕方などで不安が大きく、実際に多くの管理者からも相談を受けています。

人間は社会的な生き物であり、人間関係の中で活動し響き合い成長していくものなのです。しかし、今は、それが新型コロナによって断たれているのです。感染拡大を避けるために、「3密」「ソーシャルディスタンス」「自粛」「外出制限」「巣籠」等々、実は、「全て人と人が集まることを止めましょう」ということを意味しているのです。

社会的な生き物である我々にとっては、その現象自体そのものが大なり小なりストレスとなり、うつうつとした気分になるのは至極自然なことです。その反動のように、今年度になって、若者を中心に街では人流を防ぐことが困難になってきています。制限のある生活に我慢してきた若者が街に繰り出しているのでしょう。

「コロナうつ」にならないために

では、「コロナうつ」にならないためには、どのような対策をしていけばいいでしょうか。

ポイントは、「3密を避けた行動」「一人でできる、家でもできること」「人と人とのつながり」でリラクゼーションを図ることです。

散歩やウォーキング、家の中でできるヨガやストレッチ、自宅での映画鑑賞、読書、趣味、資格取得に向けた勉強なども良いでしょう。趣味のあった副業を始めるなどは収入にもつながりいいかもしれません。

また、Zoomなどを活用し、上司・部下間、あるいは仲間同士で対話をする時間を設けるなどは非常に有効です。Zoom会議に限らず、雑談の大切さを認識し、人と人が話せる環境をWeb上で積極的に作っていきましょう。

特に規則正しい生活リズムを崩さないことも非常に肝心です。
バランスのとれた栄養、十分な睡眠、適宜な運動は、身体的健康に限らず、実は、精神的健康の保持増進にも欠かせない基本的な条件でもあります。感染予防や重篤化防止のためにワクチンだけに頼らず、自己免疫力強化のためにも、バランスのとれた栄養、十分な睡眠、適宜な運動で、明るく元気で新型コロナウィルスにも打ち勝っていきましょう。

シニア産業カウンセラー、キャリアコンサルティング技能士2級 塚元 千恵美

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