グリーンロジスティクス社には多くの女性が働いています。
働く女性の家庭環境もさまざま。皆同じような働き方は難しいのが実情ですが、就業規則上、同じように運用していました。
そんなある時、シングルマザーのある社員が、みんなに隠れて家に電話しているのに気付きました。聞けば、帰宅までの間、実家に子供の面倒を見てもらっているので、あとどのくらいで帰れるかを毎回連絡しているとの事。毎回あとどのくらいで残業が終われそうか申し訳なさそうに、遅くなる日は、何度も連絡を入れることもあったようです。しかし、周りの社員も帰っていない状況で自分だけ帰るのは気が引け、仕事を続けるのに支障を感じていました。
そんな中、岩崎社長は就業規則を見直すことを決意。働きやすい規則は、当事者じゃないとわからないということで、社内に働き方改革の横断的な組織を作り、希望する社員が自ら集まり働きやすい環境をつくる環境を作りました。そこでは働きにくさを感じている社員が主体になって、既存の働き方を尊重しながら、また別の働き方も選択できるよう就業規則を追加しました。
結果、社員同士、お互いの状況を真剣に伝え合う場ができたことで、相互理解が進み、助け合う職場環境、理解し合う職場環境が出来上がり、多くの社員が長く安心して勤務できる仕組みが作り上げられました。
「社員の皆さんが、自らの手で主体的に働きやすい環境を獲得していく。その過程と場づくり、その仕掛けが大事なんです」と岩崎社長はおっしゃいます。
このような横断的組織をもつ会社であれば、入社希望者が増え、人手不足に悩まされることはないでしょう。社員の働きやすさを自ら声をあげて変えていく仕組みを取り入れた素晴らしい事例でした。
SDGsビジネスコンサルタント:鶴田 智也